特殊相対性理論と一般相対性理論の違い説明できる??
どーも、TOYOです
皆さんも一度は耳にしたことのある「相対性理論」。すこしサイエンスにくわしい人であれば、「特殊相対性理論」と「一般相対性理論」があることも知っていると思います。アインシュタイン博士が作りだした20世紀を代表する大発見です。
どちらもネーミング的には似ていますが、中身は違います。今回は「特殊相対性理論」と「一般相対性理論」がどう違うのか?をわかりやすく解説していきます。
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にわとりが先か、卵が先か
問題です!
Q.にわとりと卵はどちらが先にこの世に誕生したでしょうか?
この問題は有名ですね。卵はにわとりが産むけど、にわとりは卵から産まれる...ん?どっちなんだ?となる問題です。
では、次の問題!
Q.「特殊相対性理論」と「一般相対性理論」はどちらが先に誕生したでしょうか?
実は、「特殊相対性理論」のほうが先に生まれています!「特殊相対性理論」→「一般相対性理論」という順番です。
「特殊相対性理論」と「一般相対性理論」のちがい
2つの相対性理論のちがいはこのようになっています。
「特殊相対性理論」も「一般相対性理論」もそれぞれ3つの大きなテーマがあります。このテーマを比べると、少しテーマが違うことに気づくと思います。
「特殊相対性理論」って何??
①時間のおくれ
まず①の「時間の遅れ」から説明します。しかし、注意しておきたいのはこの「時間の遅れ」とは「時差」とは違います!「時差」は時間ではなく、時刻が遅れるだけです。ロンドンでも日本でも1時間は1時間、1日は1日です。
ですが、特殊相対性理論での「時間の遅れ」は1時間が1時間、1日が1日ではなくなります。どう言うことでしょうか?
まず、光時計というものを準備します。この時計は0秒のときに下から光が出て、1秒で上までいきます。光の速度はcとします。近くで光時計を観察しているAくんにとって、1秒は1秒です。
この後、Aくんは望遠鏡でスペースシャトルを見ました。スペースシャトルの中にも光時計があり、Bさんが近くから観察しています。Aさんも望遠鏡でその光時計を観察しています。Aくんはスペースシャトルから離れているので光がななめに進むように見えます。
ここで、AくんとBさん、どちらも1秒たったとすると、三平方の定理より
v=0となってしまい、スペースシャトルが動いていないことになってしまいます。しかし、スペースシャトルはたしかに動いているので、これはおかしいです。では、何がマズかったかというと、「AくんもBさん、どちらも1秒たった」としてしまったことです。これが間違いなんです。
では、Bさんが1秒たったとき、Aさんはt秒たっているということにします。これで、三平方の定理より
三平方の定理からtの値を求めます
tの値が求まりました。Bさんが1秒たったときに、Aくんはこれだけ時間がたっているということです。例えば、スペースシャトルが光の速さcの80%で飛んだら、次のようになります。
このように、AくんとBさんの時間にズレが生じます。これが、「時間の遅れ」です。
②空間のちぢみ
次は「空間のちぢみ」です。
問題を設定します。スペースシャトルには1年後に爆発する爆弾があります。この爆弾は、1年以内に1.3cの距離にいるUFOにたどりつけば解除することができます。しかし、スペースシャトルの速さは光の速度の80%、つまり0.8cなので1年でたどりつくことはできないように思えます。
ですが、特殊相対性理論を使うと、実は爆発せずにすむことがわかります。
まず、①の「時間の遅れ」でもふれたように、スペースシャトルの1年はUFOの1年ではありません。スペースシャトルの1年はUFOの5/3年となります。
すると、スペースシャトルはUFOから見て、1.333…cの距離を進むことがわかります。すると、UFOにはたどりつけることになるので爆発せずにすみます。
このように空間が伸びたり縮んだりします。これが「空間のちぢみ」なんです。
③質量が増える
相対性理論の有名な式に「E=mc²」というものがあります。この式は、①と②を使えば、証明できますがここでは省いておきます。光の速さに近づくほど、質量が増えていくというものです。
「一般相対性理論」って何??
次は、「一般相対性理論」です。これにも3つのテーマがあります。
3つについて詳しく説明していきます。
①光の曲がり
光の曲がりは、「重力などの力によって光が曲って進むように見える」というものです
下に落ちていく箱の中でかめはめ波を打ちます。すると、本人はまっすぐ打っているつもりでも、外から見ているAくんには曲がって見えます。これは、箱の中は無重力(エレべーターの中を思い浮かべてください)ですが、外から見ている人は重力しか感じないので外から見る光は重力によって曲がって進みます。
②空間の曲がり
「光の曲がり」の次は「空間の曲がり」です。
私たちは地球上に住んでいます。当たり前ですが、地球上ではものはまっすぐ落下します。2つのリンゴを落とすと、どちらもまっすぐ落下します。
しかし、よく考えてみると地球は丸い球体です。なので、地面はまっすぐではなく、地味に曲がっています。そして、リンゴはまっすぐではなく、地球の中心に向かって落ちようとします。
すると、落下するにしたがって2つのリンゴの距離が縮まっていることがわかります。これは、地球のような質量の大きいものが空間を曲げてしまうため、距離が短くなります。リンゴはまっすぐ落ちているつもりなのですが、外から見るとまっすぐ進んでいないように見えてしまいます。これは地球が空間を曲げているからです。
もう少しわかりやすくいうと、自分はまっすぐ北に進んでいるつもりなのに、いつのまにか距離が縮まってしまうということです。
これが「空間の曲がり」です。
地球は周りの空間を曲げているので、月はまっすぐ進んでいるつもりでも曲がって進んでしまうので、地球のまわりをグルグル周り続けます。
③重力での時間の遅れ
重力が強いところでは時間が遅れる、というなんとも奇妙な理論があります。
強い重力が働くところでは、弱い重力が働くところよりも時間の流れが遅くなってしまうんです。
まとめ~相対性理論~
相対性理論、いかがでしたか。ボリューミーでしたね。しかし、実はこの説明でもだいぶん省略したほうなのです。
この記事を読んで少しでも相対性理論と仲良くなれた気になっていただければ嬉しいかぎりです。
*参考文献*「Newton別冊」