なぜ仮定法は仮定法「過去」なのか?
どーも、TOYOです
次の英文を訳してみてください
If I knew his e-mail address, I could send a e-mail to him.
これはカンタンで、「もし彼のEメールアドレスを知っていたら、彼にEメールを送れるのに」という意味ですね。
これは高校英語で習う、仮定法の分野です。厳密にいうと、上の文章は仮定法過去という文法です。でも、皆さん学生時代、仮定法を習うときにこうは思いませんでしたか?
なんで仮定法過去なんだろう??
って。
私も思っていました。なんで仮定法ではなく、仮定法過去何だろうか?でも、教科書や参考書にそう書いてあるのでまあいっかと思っていました。しかし、実は仮定法過去というネーミングには実はちゃんとした理由があります。
まずは仮定法過去の過去に注目して、「過去形って結局なんなの?」というところから見ていきましょう。
過去形は過去形じゃない?
みなさんは英語を習いはじめて「This is a pen.」などのカンタンな英文を経て、「過去形」というものを習います。先生もこう教えます。「過去形は過去のことを表すときに、動詞にedをつけるんだよ~」
そして、次のような図を黒板に書きます。
実は、ここに「過去形」のエッセンスが詰まっています。図からわかるように、現在と過去には「距離」があります。これは「時間的な距離」です。本来、過去形というものはこの「現在と過去には距離がありますよ~」ということを示すものなんです。なので、過去をあらわす「過去形」というネーミングよりも、現在と距離があることをあらわす「距離形」というネーミングのほうが実は正しいんです。
みなさん、今までの「過去形」というネーミングをここで一旦忘れてください。みなさんが知っている過去形は過去形ではありません。距離形です!
過去形が距離をあらわすということは…
さっきまで「過去形」というのは「距離形」で、距離があることをあらわすということを学びました。このように「仮定法過去」の「過去」というのは距離があることを表します。
ここで、ひとつ質問です。
仮定法過去の「過去」というのは何の距離を表しているでしょうか?
1.「現在」と「過去」の距離
2.「現実」と「仮定」の距離
3.「私」と「彼」の距離
4.「日本」と「ブラジル」の距離
答えは決まりましたか。では、解説していきます。
過去形での「距離」は「現在」と「過去」の距離を表していました。では、仮定法過去での過去の「距離」は何を表しているのでしょうか。
例文を見てみましょう。
If I knew his e-mail address, I could write an e-mail to him.
もし、彼のEメールアドレスを知っていれば、彼にメールを書けるのに。
このとき、「仮定」は彼のメールを知っていた、でも「現実」では彼のメールを知らなかった、ということです。
つまり、「仮定」と「現実」に「距離」があるんです。なので、この「距離」を表すために、わざと過去形にしているんです。
仮定法過去は名前にだまされるな
仮定法は苦手としている中高生は多いと思います。それは、仮定法の内容もそうですが、勝仮定法過去というネーミングも関係していそうです。
仮定法過去の「過去」は「距離」のことを表しています。こう考えると、仮定法過去が出てきても、「あっ、この過去は距離のことを表していて、「仮定」と「現実」の距離のことなんだな」と思ってください。