なぜ鉛筆は六角形なのか?~数学でひも解く~
どーも、TOYOです
いきなりですが、鉛筆のカタチを想像してみてください。
三角えんぴつなどもありますが、だいたいのえんぴつの形が丸か六角形です。特に、えんぴつといえば六角形が主流です。
なぜえんぴつの形が六角形なのかはいろいろな理由が考えられています。
たしかにこの理由も正しいです。しかし、えんぴつが六角形なのには、実はもっともっと深い数学的な理由が隠されています。
円と正六角形の関係
円と六角形は図形的にとても仲良しです。みなさんも、中学校の時にコンパスを使って、正六角形を作図したと思います。作図の方法はいろいろありますが、そのうちの一つをご紹介しておきます。
このように円と六角形には親密な関係があります。ここで、円と六角形の性質を比べてみましょう。
同じ大きさの円と正六角形を比べると、円の幅は2、正六角形の幅は√3=1.73となります。大きさが同じでも、幅にズレがあります。実は、この幅のズレがとても大きな意味を持っています。
正六角形のほうがえんぴつを多く作れる?
えんぴつは木材から切り出して作られます。ここで、えんぴつが丸の場合と正六角形の場合でできる本数を比べてみましょう。
条件をおなじにするため、幅13cmの木材からえんぴつを切り出すとします。
まず形が丸の場合を見ていきます。えんぴつ1本の幅が2cmだとすると、えんぴつは6本できます。
次に、正六角形の場合を見ていきましょう。
幅は√3=1.73cmです。このとき、13cmの木材からはえんぴつが7本できます。
このようにえんぴつの大きさは同じでも、形が違うだけで作れる本数が変わってきます。
したがって、えんぴつが正六角形なのは「持ちやすさ」や「使いやすさ」だけではなく、「生産性」を上げるためだということがわかりました。
まとめ
いかがでしたか。このように皆さんの身の回りには案外数学が隠れています。学生時代、「数学なんて社会の役に立つの?」と思っていた方もいると思います。筆者自身もそうでした。しかし、数学はみなさんが思っている以上に社会に貢献しているのかもしれません。